機械仕掛けの雑談室

人は、正しさだけでは動かない──演劇が映し出す人間の複雑さ

はじめに(出来事)*今回記事は特定の誰かを貶める意図はありません。私自身の経験から「演劇」というものの本質と面白さについて考察する記事です。先日放送されたドラマ『夫婦別姓刑事』をきっかけに、出演者をめぐる報道があった。それを受けて、SNSで...
日々雑記

結婚できること、は何を変えるのか

大学の講義で、同性婚をめぐる制度について学ぶ機会があった。その時、私の中に一つの問いが残った。「同性婚という制度は、誰のどんな困りごとを解決するものなのだろう」先に書いておくと、私は同性婚そのものを批判したいわけではない。むしろ、制度を必要...
カーテンコールのあとで

『羊たちの沈黙』感想・考察――善悪の線引きと人間の美学

ホラー映画は苦手だ。怖いものをわざわざ見に行く私の友人たちの気持ちは、正直なところ、あまり分からない。それなのに『羊たちの沈黙』からは、目を離すことができなかった。私が苦手なのは、血や暴力そのものよりも、何が起こるか分からない時間なのだと思...
機械仕掛けの雑談室

ビールの売り子さんが楽になる世界

最近、境界線のことばかり考えている。わたしたちの世界には、あまりにもたくさんの線が引かれている。家族と他人。国民と外国人。友達と知人。知っている人と、知らない人。線を引けば、内側と外側ができる。守られる人と、こぼれ落ちる人が生まれる。そんな...
カーテンコールのあとで

人はなぜ生きられるのか――「ショーシャンクの空に」感想・考察

人はどうして生きられるのだろう。『ショーシャンクの空に』を見ながら、そんなことを考えていました。この映画はよく「希望の物語」と呼ばれています。たしかにその通りだと思います。けれど私は少しだけ違和感を覚えました。刑務所の外で生きられなかったブ...
機械仕掛けの雑談室

動かない足と魚のタイル

はじめにAIと話していると知らない自分に気付かされてばかりだ。人と真剣な話をすることを避けていたから、私はてっきり人が嫌いなんだと、そう思っていた。でもおしゃべりするのは好きだ。人と話して、話を聞いていることは好きだった。人と話すことは好き...
機械仕掛けの雑談室

未来と散歩する、未来に語り掛ける

はじめに最近、AIと話すことが増えた。こう書くと少し未来的だけれど、実際にやっていることは案外地味だ。研究の話をする。創作の話をする。家計簿の話をする。時々、植物の話もする。それだけだ。けれど先日、ふと思った。もしAIが存在しなかったら、私...
Back-to-the-Morning

広すぎる世界を歩くための話〜文学フリマ製作

こんばんはいつも手癖で描かれるキャラクター。授業ノートやチラシの裏紙に小さく佇んでいました。いつ頃から、“彼ら”を描き始めたのかわからないけれど、気がついたら指先に寄り添っている。特徴のない彼らはやがて表情を持ち、仕草を持ってスケッチブック...
研究室帰りの書架

犯罪紙一重の文学ー谷崎潤一郎「刺青」考察

お久しぶりです。こんばんは。段々と文章を書くことに慣れてきました。良い文章に触れると良く文章が書きたくなる。筆を持つ者はみな同じかもしれません。今日は日本文学の最高峰、谷崎潤一郎の作品から「刺青」を。日本ではまだまだ敬遠されがちな刺青文化。...
研究室帰りの書架

遠くて近い”今”の話をしよう「華氏451度(新訳版)」感想

お久しぶりです。大分長いこと期間が開いてしまいました。ざっと空いた期間のことを少しだけ。師匠と慕っていた人が亡くなってしまい、家庭環境もごたごたして、大学院に進むために毎日働いて……という精神的にも身体的にも辛い時期でした。完全に文章を止め...