環境フェスティバル那珂2023は今年で二回目の開催となるそうです。
今回は前日23日と開催当日の24日にボランティアとして参加した感想や経験を記録しておこうと思います。
環境フェスティバル那珂2023 とは?
「気候危機から地球を守ろう みんながイキイキ暮らせる未来へ」をテーマに開催されている環境フェスティバルです!
講演会や映画観賞会、ワークショップや体験会、企業・学校団体による展示や物販などを通して現在私たちが抱える問題を再認識し、解決への糸口を見つけていくイベントとなっています。
今年は堀越けいにんさんにお越しいただき、アニマルウェルフェアについての講演を行っていただきました。
またワークショップではコンポストの設置やごみを増やさない調理法を参加者にお伝えしていたようです。
展示室では那珂市に住む子どもたちの、環境保全を呼び掛けるポスターが展示されていました。
ボランティア参加 活動内容は?
前日23日
13:30から那珂市中央公民館の全室でパーテーションや備品の設置、展示設営を行いました。
大きなパネルを数人で持ち、各部屋に運び、組み立てを行いました。
映画や講演会の会場である集会ホールでは椅子を設置。椅子の周りにパネルを配置して、研究発表を展示していきました。
大きなものが動かし終わったら、飾りつけでポスターを張ったり、細かい装飾を机や受付に配置していきました!
何もなかった室内に多くの展示や備品が次々と設置されていきます。
年齢も、職業も違う、普段関わりのない方とも一緒に一つのものを組み立てていく。
時にはお互いの生活や仕事について話したり、自身よりも多くの経験をされてきた方々のお言葉をいただいたりと、充実した活動でした!
当日24日
当日は主に集会ホールにて受付の仕事をしていました。
本来入場料が500円のところ、スタッフは映画や講演を無料で見ることが出来ました。
沢山の学びを無料で見られてしまう、とても有難い経験となりました!
前半、映画鑑賞「君の根は」
数年前に人類が使った殺虫剤の影響が今現在、山や海、地下水に深刻な影響を与えていることを警鐘する映画でした。
因果応報、という言葉にふさわしく、殺虫剤は時を経て、人間にとって最も過ごしやすい環境を壊しています。
自然環境は食物連鎖という円環の巡りを基準としています。
殺虫剤により虫が減り、草原がなくなり、地下水がなくなっていく。
山は枯れつつあり、海には殺虫剤の成分が流れてプランクトンやサンゴが死んでいきます。
山や川の生き物が減少すれば、人間の食べ物も質が悪くなり、やがて量が減っていくのです。
そんな環境を変えるべく、アメリカでは草原を作り直す動きが始まっています。
ミックスシードによる多様性のある草原の創造は、環境の変化に合わせて育つ植物も変化していきます。
時によって違う植物が地表を支配していても、常に植物によって地中の微生物が守られるようになるのです。
また海では昆布の養成を進める企業が。昆布は生育のスピードが速く、人間も出汁や料理に使用する昆布は海の環境を戻すのに最適な植物でした。
昆布が光合成をし、小魚の隠れ場所になり、プランクトンに必要な栄養を生み出していくことで、少しずつ魚たちが海に戻ってくるのです。
小魚が戻ってくれば、引きつられて大きな魚が寄ってきます。
人間が短い期間に壊した自然を、長い年月を見越して、食物連鎖を利用し元の姿に戻していく。
自分が死んだとしても、子孫へと活動を継承する、難しい挑戦です。
そんな挑戦に挑む人々の現在を描いた映画でした。
後半、堀越けいにんさんによる講演会「動物と環境の話」
堀越けいにんさんは元衆議院議員の方で、子どもの権利を中心に動物の保護や環境の保全を呼び掛けています。
今回は子どもの給食の話やアニマルウェルフェアについてお話してくださいました。
アニマルウェルフェアとは動物の生活とその死に関わる環境と関連する動物の身体的・心的状態のことです。
例えばこのような話で挙げられるのは家畜の養育形態について。
けいにんさんはフォアグラや鶏卵を例に挙げて、子どもにもわかりやすいお話をしていました。
フォアグラは医学的には、肝リピドーシスや肝臓脂肪変性と呼ばれる機能不全の状態になったガチョウです。
現代ではそのような所謂「病気の状態」のガチョウが量産されているのです。
ガバージュと呼ばれる方法で、健康体のガチョウに敢えて油の含有比率を増やした餌を与え、吐き出させないようにくちばしを固定した状態で育てています。
これにより肝臓に病気を持ったガチョウが食用として出荷され、フォアグラとなるのです。
ではこのような家畜の大量生産の何が問題なのか??
家畜の大量生産は鳥インフルエンザや狂牛病などの病気の蔓延を助長します。
例えば先述のガバージュであれば、鳥のくちばしを固定するため、何羽ものガチョウを狭い工場内で管理します。
つまりはその中に一羽でも鳥インフルエンザを持ったガチョウがいれば、その工場内の全ての鳥に感染するわけです。
「コロナウイルス蔓延時には、人間に対して三密を避けるようあれだけ勧告されていました。ならば鳥も牛も豚も、病気を避けるために本来は密を避けなければならないはずです!」
けいにんさんはそのように仰っていました。
家畜の持つ病気は人間に感染する可能性だってある。
だからこそ工場内で大量生産することは本当に「人間のため」なのか?
そのような食品を食べて一番最初に感染する可能性が高いのは「免疫力が低い子ども」なのではないか?
そんな呼びかけを行っていました。
さいごにスタッフではありましたが、このように深い学びを教えてくださった堀越けいにんさんと写真を撮らせていただきました。
二日間の感想
どのワークショップや講演も、とても興味深い話ばかりで、もっと環境について知らねば、という危機感さえ抱いてしまいます。
堀越けいにんさんは、今回のイベントにて次のように言葉を残されていました。
「1人が進んだ100歩よりも、100人全員が1歩踏み出す必要がある」
日本は資本主義経済です。資本主義と環境保全は折り合いが悪いとさえ唱える経済学者もいます。
しかしそんな資本主義社会も、消費者が、利用者が、街の全員が環境に良い商品やサービスを求めるように動けば、企業は経営方針を変えざるを得ないわけです。
だからこそ、私たちが環境について何ができるか考えていかねばならない、とこのイベントでは繰り返し主張されていました。
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