本当の美しさとは? 京成百貨店マイセン展を見てきました

日々雑記

スマホなし生活二日目です……。X(旧Twitter)とYoutubeと連絡手段でしかスマホを使用していないので、案外日常には困っていません。普段動画を見すぎなんですよね。

今回は水戸の京成百貨店で行われているマイセン展を見てきました。
9月17日までなので、もしも見に行く方はお早めに!

ドイツの名窯マイセン 日本公式サイト|京成百貨店「マイセン展」のご案内
ヨーロッパで初めて硬質磁器を生みだしたドイツの名窯「MEISSEN マイセン」の日本の公式サイト。オンラインショップには新作をはじめ、引出物・内祝・お返しに最適なギフトが揃っています。カップ&ソーサーなどのテーブルウェア、食器、磁器人形、マ...

マイセン展 感想

今日はかなり短めの記事です。写真を撮れれば良かったのですが、撮影していい場所なのかわからず、加えて撮影しても美しさは100%伝わらないだろうな、と感じたためです。

一番いいのは展示場で購入して、私の家で撮影することなんでしょうけれど……。
すみません、どの器も私の一年分のアルバイトのお給料よりも高かったので、買えそうにありませんでした(私は毎年、扶養控除ギリギリまで働いています)

今回の目玉は、写真の中のパンフレットにも記載されているように、ヨーロッパの名画です。
会場入り口、一番最初に見えるのがこの名画を模した陶板。
その横に動植物をモチーフにした陶板が飾られていました。

マイセンをじっくり見たのが初めてなので、感想は本当に初心者、浅学なものとなっています。

一番初めに見えたヨーロッパの名画、正直、他の陶器や登板と比べると、すこし安っぽく感じてしまいました。
深みがないというのでしょうか……油彩画って横から見るとかなりデコボコしています。そのデコボコが絵の中で細かな光と影を生み出していくんだと思うのです。同じ青色でも、何度も塗り重ねられた絵具の下にある青色は影と混ざって濃く見えますし、何度も塗り重ねた一番上に描かれた青色は一番光が当たるので薄く見える。勿論多少の誤差はあるでしょうが……。
写真で見た時に「いまいちだな」と感じた絵画が、直接見に行くと「素晴らしい」と思えるのは、写真では見えない油彩画の凹凸や光の調整が変わってくるからだと思います。
陶板は表面がピカピカしていますし、凹凸もありません。
はじめから文句を言ってしまって申し訳ない……陶板にすることで油彩画の良さが消えてしまっているなと、感じてしまいました。まぁ、陶器を見に行って油彩画と比べるな、と言われたら、その通りなんですけれども……。

一方で、ヨーロッパの名画の隣には動植物をモチーフにした陶板が飾られていました。
こちらの作品の方が私は好きでした。どこまで、解説してくれた方の説明をこちらの記事にできるかわかりませんが、読んでいただけると幸いです。

私が見た時に展示されていたのはフクロウ、バラ、ヒマワリ、綿タンポポ、ゾウでした。
個人的に好きだと感じたのは綿タンポポでしたが、一番人気はフクロウなんだそう。日本人はフクロウグッズを集めている方も多いですから。一方で私にマイセン展に行くよう勧めてくれた方は、ヒマワリの作品が好きだったそう。もともとヒマワリ好きとも言っていましたが……。

こちらの陶板は、陶器に艶出しをする際に掛ける釉を敢えて波打つようにかけるんだそう。
本来は艶出しの為の物なので、かけ残しやムラができないようにかけていく必要があります。あえてムラを出すことで、焼いた際に「結晶化」という現象が起きます(ごめんなさい、うろ覚えなので、間違えていたら許してくださいね)
このムラが、飾った際に光を不規則に反射していきます。
解説してくださった方曰く「展示場は電球の光で当てていますから、同じ見え方しかしませんが、窓際に掛けていただくことで日光の差し込み具合、天候、角度によって見え方が変わります」とのこと。

私が最も好きだった綿タンポポは絵を少し斜めから見ると、釉の効果が見えなくなって、暗闇で風になびいているようなタンポポの絵になります。そこから少し歩いて正面に行くと、光が正面からあたっていることもあり、釉の結晶化、不規則な波打ちが露わになります。さきほどまで暗い青色だった背景も、晴天の青空に代わり、波打ちが風の行く末を表しているようでした。

いつか私の部屋に同じものを置きたいなぁ、と少し夢を膨らませました。

さてその後は陶器、陶像がたくさん置いてありました。
個人的に好きだったのは古マイセン。着色が今ほどできる時代ではなかったのか、白の面積が多いものが沢山あります。着色が無い分は造形が素晴らしく、花びら一枚、草葉一枚が繊細につくられていました。

何の因果か、この展示の前になつめさんちの粘土動画を見ていた私。
焼き物は、ある程度の分厚さがないと、割れてしまうものと認識していたのですが、そんな認識を壊すように本当に葉一枚が薄く作られています。
本当に見に行ってほしい!!! 17日は短縮展示なのでお早めに!!!

陶像は鳥類が多かった印象です。
王宮の音楽隊を皮肉る目的で「サルが楽器を奏でる」像も置いてありました。こういう皮肉はヨーロッパ的で面白いなぁと感じます。日本人は顔の造形や体格で人をあらゆる動物に当てはめますが、ヨーロッパはどんな人でもサルにして「後進的な」「人間的文化を持ち合わせていない」ということを表します。この像は毛の一本一本を描いて着色しているので、ぜひ見て欲しい。気の遠くなるほどに細く大量に書き込まれています。

さて、鳥類の話に戻りましょう。私が陶像で一番感動したのは白鳥。
勿論、展示品ですし、商品ですので、触ることは出来ませんでしたが、ちょっと触ってみたかったです。この白鳥、陶器なのに、フワフワとした羽の広がりが感じられるのです。

もう、本当に、陶器か? これ??? と思うほど。

できる限り近づいて確認してみると、恐らくですが、釉を掛ける前に羽の方向に沿って小さく傷が入っているのだと思います。これが釉を掛けることで、まっ平に、つるつるとして消えてしまうのですが、光の角度によって小さな傷に影が落ちるので、羽のフワフワした繊維を錯覚できるようになっています。

もしかして↑の理由なのか? と気付いた時には鳥肌が立ちましたね。
(もしかしたら違う可能性もありますが……)
「美は細部に宿る」とは言いますが、誰が気付くかわからない工夫が凝らされていると考えると、マイセン展を見に行って良かったなと思いました。
まだまだ、大学生。しかも苦学生の身ではありますが、いつかマイセンを所持してみたいです。

ちなみに、私をマイセン展に誘ってくださった方曰く
「骨董品はだまされないとその良さや価値に気がつけない」とのこと。
だったので、私がマイセンのすばらしさに本当の意味で気が付くのはまだまだ先になりそうです。

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