8月・9月の詩

作品投稿

元々茨大の文芸部にいた私ですが、先日後輩が留学に行くために水戸を離れました。
私が一年留年しているので、同期は卒業しています。色んなものが変わっていくなぁと思う日々です。
今日は8月、9月分の詩作を載せておきます。

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本文から抜粋

短歌

街頭に集る虫の子チラチラと命燃やして羽根落とす

この道で子持ち蟷螂潰された赤い尾を引く黒いタイヤに

遥か海琥珀飲み干さんボアモアを牧水の詩に恋焦がれつつ

8月無題

一人でいるのは孤独でしょうか
二人でいるのは孤独だったからでしょうか
三人でいるのは孤独ではないでしょうか

本を読むのは孤独だとあの人は言いました
絵を描くのは孤独でしょうか
歌を唄うのは孤独でもできますか

手を繋いだら孤独を埋められますか
「孤独」の癖に一文字じゃないのね

8月無題

別れの前にはいつも水の流れる音がする
手を離さないでと思うけど
私が強く握るだけじゃ意味が無い
そうして指が一つづつ離れていって
二人の間を流れる水が増していく
別れの前にはいつも水の流れる音がする

9月無題

尊敬は裏返せば情に
執着は裏返せば無思考に
世界は無常ではいられない、無情ではいられない
酒場の囀りを聞きながら
味のなくなった酒の惨めなこと!

9月無題

酒の畑で焚き火が燃える!
星を線で繋ぐなど、孤独な人のすることだ
バーの片隅で言葉を拾う
私は浮浪者、酒を煽って

酔う。泣く、笑う
酔う、泣く、笑う
歌えや歌え、死ねど歌え
ぐるぐる世界が回る
回るんだ、死ぬのに
死んでしまえ、こんな世界
死んでしまえ、こんな自分
飲み屋の代を忘れた自分も
隣の恩を忘れた自分も
全部全部、明日には消える
酔う、泣く、笑う
明日なぞ来ないよ
まだ一度も明日を見た事がないのだから

9月無題

植物が水を求めて徒長するように
人間も足りないものを求めて大きくなる
周りに何も無い方がいいのだ
そうして自分に足りないものを見つめ続けよう
誰よりも大きく、昨日よりも大きくなりたいのなら

9月無題

作品が我が子であるならば
作者は聖母マリアの導きをもって
美を求め魂を削る

9月無題

我々は遂に全盲になってしまったのでした
古代から闇を恐れ光を求めてきた我々に
光ばかりの現代は生きづらすぎる
闇に安息を求めようにも
幾千年、闇を恐れてきた我々は
理性が闇を拒むのです
光に安息が無くなった
闇にもまた安息はない
死は、無色
黒でも白でもないただ無色

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