読書ノート番外編「百年の孤独」前半部読み終わりました。

読書ノート

お久しぶりの更新です。
更新しようにも、百年の孤独がなかなか読み終わらず……。
もういっそのこと、途中までの感想を書いてしまおう! ということで番外編としての更新です。
文庫本ではp376まで、内容としては小町娘のレメディオスがシーツを掴んで昇天するところまで読みました。

ハードカバー版は持っていないのでご了承ください。


百年の孤独

蜃気楼の村マコンドを開墾しながら、愛なき世界を生きる孤独な一族、その百年の物語。錬金術に魅了される家長。いとこでもある妻とその子供たち。そしてどこからか到来する文明の印……。目も眩むような不思議な出来事が延々と続くが、予言者が羊皮紙に書き残した謎が解読された時、一族の波乱に満ちた歴史は劇的な最後を迎えるのだった。世界的ベストセラーとなった20世紀文学屈指の傑作。

百年の孤独ー丸善ジュンク堂書店 より

2024年6月にハードカバーから文庫本化された「百年の孤独」
この本は世界的なベストセラーになったにもかかわらず、文庫本にならなかったことで、「文庫本化したら世界が滅びる」とまで言われていました。

実際に新潮文庫のカバー、宣伝文句が
「この世界が滅びる前に――聴け、愛の絶叫を。見よ、孤独の奈落を。」
となっている。

(ここまで煽られると、読みたくなってしまう……ので七月の頭に購入しました)

文庫化したら世界が滅びる!? ノーベル賞作家の傑作 『百年の孤独』ついに文庫化 「大事件」に特設売り場も:東京新聞 TOKYO Web
「文庫化されたら世界が滅びる」と言われるほど、あり得ないとされてきた小説の文庫化が、邦訳から半世紀以上を経て実現する。  南米コロンビ...

感想

正直な話、解説無しに読むのが苦しいと思う一冊でした。
私がラテンアメリカ文学を読むのが初めてだったのが大きな理由だと思います。

まず、海外文学だとよくあるのでしょうが、親と同じ名前の子どもが出てくる。
ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランを起点に、曾孫の世代まで行くと、もう、しっちゃかめっちゃかでした……。
この時点で、アルカディオが3人。アウレリャノが19人。ひぇえ。
どのアルカディオか、どのアウレリャノかを示すために「彼」「彼女」といった代名詞が少ないのも印象的。
そして何より、一夫多妻や近親相姦、養子や義親戚の人間関係が戦争に進展していくのです。
一つの家庭から世界の問題につながっていく、話の構成は圧巻です。

百年の孤独を2部くらいまで読み終わった頃、何が面白いのかわからん!!!!!! と思っていました。
経験のない文章に触れている感覚。自分が無知だからこの本の面白さがわからないんだと根気強く読んでいました。
ただかなり苦しくて、SNSでは少し愚痴を書いてみたり。
最も難しく感じたのは、ラテンアメリカの文化や価値観に前提知識がない状態で読んでいるので、2章まではとにかく知らない知識を詰め込まれるように多くの事象が起こるのです。
世界史の教科書を読まされている気分だなーと。登場人物たちの感情も、現代文学ほど詳細に書かれていないので、喉に槍が刺さって人が死ぬ描写が淡々と描かれているのは少し戦慄しました。
固有名詞や固有の文化の解説無しには読めないなと……。

さて、圧倒的に楽になったのは百年の孤独の解説本が配布されていることを知ってからです。
躍起になって、単語や文化を推察しながら読むのは、この大SNS時代に2chで特定のコメント探して躍起になってるみたいなことでした。

加えて最近読んでいた作品が文学としては短い部類の物が多かったので、読書の体力が減って苦しく感じたのかもしれません。

百年の孤独、360ページまで読み終わるころには、この本に関して「難しい」以外の感想が出てくるようになりました。

ただし、読書中は超絶上等な和牛をフルコースで食べさせられてる気分です。
美味しいし、素晴らしいのはわかります。
私が庶民的な感覚すぎて飽きてくる感じでしょうか。
ラテンアメリカ文学のあるあるなのか、時々出てくる超常現象的な表現がフルコース料理の、なんでこれ作ったん?? っていう凡人に理解できない料理っぽいですね。
個人的な思い出として、京都のとあるレストランで食べた、和牛の下のナゾノクサを食べた時の感覚でした。和牛は美味しいのに、なぜ、これを下にしたんや……という。
けれどあのナゾノクサがあったことで私にっての和牛の思い出も一層強化されたわけです。
つまり百年の孤独の超常現象は一種のスパイスのようなものなのだと、思い聞かせてます。
(それでもシーツを掴んで昇天するレメディオスは少し驚きましたが)
かなり長い時間をかけて読んでいますが、百年の孤独から離れて、あのシーン好きだったな、あの言葉は素敵だったな、と思い返す感じが一生に一度しか食べられない美食のような味わいがあると思っています。


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