希望が織り成す絶望ーー「ミスト」を鑑賞しました!

日々雑記

つい先日、友達と一緒にミストを見たので感想でも。

余談なんですが、その友達が勧めてくる映画が大抵面白いんですよね……どこから見つけてくるんでしょう((o(。>ω<。)o))ワクワク

とはいえ、私はホラー苦手な人間なのでビビり散らかしてました。隣の友人(女苦手)が、ビビる私にビビってたので笑っちゃいますね(   ´∀`)ハハハ

ミストーーあらすじ

激しい嵐に見舞われた翌朝、湖畔に暮らすデヴィッド・ドレイトンと妻のステファニーは、自宅の窓やボート小屋が壊れているのに気づいた。買い出しに出かけたデヴィッドは、8歳の息子ビリー、そして隣人のブレント・ノートンと共に地元のスーパーへ。店内は停電の影響で混乱していたが、さらに外からサイレンの音が響き、鼻血を流した男が飛び込んでくる。

「霧の中に何かがいる!」

男の叫びと同時に、町は濃い霧に包まれていく――。

ちなみに、「ミスト」と「ザ・ミスト」があります。

私が見たのはスティーブン・キング原作の「ミスト」(ザがついてない方)。

スペースホラーなのでクトゥルフとか好きな方は好きかもしれません。実際私は映画にビビりながら、この辺はクトゥルフっぽいとか考えてました。

感想  ※ネタバレあり

ここから先はネタバレありの感想です。まだ見ていない方はご注意ください。

「希望と絶望が一緒に来ることがあるんだ……」

それが一番最初の感想でした。

思わず隣の友人が「最悪だ」と口に出すほど。

私は結構喋りながら映画を見る方なんですが、友人は映画を見る時に基本はしゃべりません。そんな人が声を出したので、どれ程の絶望だったかは想像していただきたいです。

ネタバレですが、映画のラストシーンは「霧が晴れる」んですね。霧が晴れるという状況は「助けられる」ということで、大抵のホラー映画で助けられる展開はハッピーエンドじゃないですか。

ところがこの映画では「生き残ってしまった」という絶望感が同時に襲ってくる。しかも生き残ってしまった系エンドの映画にありがちな「それでも前を向いて生きていこう」という終わりでは無い。勇敢に行動を起こす主人公に感情移入しているからこそ、このシーンは感情の共感が深くなります。

これ映画の構成としても天才的なんですよね。

スーパーに閉じ込められる、というありもしない状況。怪物に襲われるという恐怖はあまり現実味が無いんですが。「狂信者」の存在が主人公の行動に正当性を持たせてしまう。

「怪物怖い」は身近では無いですが、「人怖い」は身近すぎるんですよね。それがいい塩梅に調整されている。

さらに序盤でも怪物怖いを身近にするために「子ども」というキーパーソンが配置される。

怪物が怖い気持ちは共感しづらいけれど、「得体の知れないものから子どもを守らなければならない」という親の使命感は共感できるわけです。

こうして、各パートに必ず主人公に共感できるような状況が作られている。それが映画最後の悲劇を余計に彩るわけです。

話も概ね、テンプレートを綺麗になぞるため、余計に最後の展開が色鮮やかに印象を残す。ふぇぇ脱帽です。

このブログを見た方なら他の方の考察記事も見ているのかなと思いますが。

最後に訪れる救助隊のトラックに乗っているのは「子どもを助けたい」とスーパーから飛び出した女性なんですよね。しかも主人公と対比するように、御丁寧に子どもまで映っている。

これ気づいた人すげぇなと思いました。

子どもが生きてる未来が一番いいですが、話の美しさが故にこの映画のラストにケチつけられないですね。悔しい。とてもいい映画でした。

ラストシーンはさておき、狂信者が発狂して軍兵の男の子をスーパーの外に投げるシーンも本当に怖かったです。

狂信者は旧約聖書の文言を紡いで、狂信を伝播させていくのですが。軍の仕出かしすべての責任を、たまたまその場に居ただけの下っ端兵士に擦り付けてしまう。その権力を持ってしまう恐ろしさ。

やっぱり政治と宗教は切り離すべきだな、と感じてしまったのは私が日本人だからですかね……。

でも一方で「誰かが悪い」と声高に叫んでいないと人間は生きられないのかもしれません。悪役が居た方が人間同士で一致団結できるように。明確に批判できるだれかが居ないと、心が先に死んでしまうのかも……。

主人公達も「隣人」や「狂信者」を恐れ、敵対して勇敢な行動に出ている訳ですし……。

死を恐れ、死から逃れるには、なにか目的を持つ必要がある。その目的として最も容易に抱くことが出来るのが「敵」。

主人公たちの行動全てが無駄だったと、映画を見ている私たちは言いたくなりますが。それは安全圏から見ているから言える言葉なんですよね。

当事者にとってはどれが正解かわかってない。たかが映画にここまで共感しなくてもいいのかもしれませんが、私は主人公の行動も、他の人の行動も否定はできないなと感じました。かと言って肯定も難しいんですが……(   ᷄ᾥ ᷅ )

夏だ! ホラーだ! ミストの時間だよ!  ……ということで映画鑑賞です(実際にはもう夏は過ぎて秋も序盤のはずですが……)まだまだ暑いですね(´・ω・`)

うーん、苦しい映画でした。とても好きでした。素晴らしい作品をありがとうございます。

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