ハイランドの蒸留所
ノックドゥ―蒸留所
DCL社(ディスティラーズ・カンパニー・リミテッド)が1894年に自らの手で初めて建てた蒸留所。
約120年の歴史がある。標高420mのノックヒルの麓で発見された泉の水を利用するためにハントリーの北にあるノック村に建設された。
「ヘイグ」のキーモルトとして生産されてきたが、1983年に閉鎖。
1988年にインバーハウス社が買収すると、1989年から操業が開始され、シングルモルトとしても販売されるようになった。
ノックドゥ―という名前は、現在は「アンノック」というブランド名で販売されている。
「ノックドゥー」はゲール語で「黒い丘」を意味する。ブランド名の「アンノック」は「小さい丘」という意味をもつ。
これは「ノッカンドォ」や「カーデュ」といったウイスキーと混同されやすいためである。
【参考】
ウイスキーマガジンジャパン/激動の時代と伝説の企業【前半/2回】
ウイスキーマガジンジャパン/激動の時代と伝説の企業【後半/2回】
Dear WHISKY/アンノックとは? 種類や味わい、おすすめの飲み方
↓名前が似ているウイスキー
ブレアアソール蒸留所
名前の由来はアソール公爵の居城ブレア城から。蒸留所とブレア城は18㎞離れている。
仕込水にはベン・ヴラッキー山の泉の水を使用している。この泉の水はオルトダワー・バーンという小川になって蒸留所内を流れている。
「オルトダワー」はゲール語で「カワウソの小川」を意味している。花と動物シリーズにて販売されるブレアアソールのシンボルにもカワウソが用いられている。
1798年に創業。当初はアルダワー蒸留所と名乗っていた。1932年に閉鎖され、アーサー・ベル&サンズ社に大改修を施されて1949年に生産が再開された。
【参考】
Dear WHISKY/ブレアアソールの種類と味わい、おすすめの飲み方
アバフェルディ蒸留所
アバフェルディはゲール語で「パルドックの河口」のことです。
アバフェルディ蒸溜所は、1898年にジョン・アレクサンダー・デュワーによって設立されたデュワーズのための蒸溜所。蒸留所の外観はビクトリア朝様式。
パースとインバネスを結ぶ幹線道をピトロッホリーの手前で下車し、テイ川に沿って西に進んだ場所に蒸留所がある。蒸留所建設当時にはパースとの間に鉄道が敷されていたが、現在は廃線となっている。
昔ながらの木製の発酵槽を使用し、通常よりも長い70時間の発酵を行っている。
仕込水には「水の神のプール」と呼ばれるピティリー川を水源として使用。新鮮で透き通ったこの川は、かつて砂金を採取していたことでも有名で、品質を守るために上流の水源から取得している。
蒸留所の背後には森が広がっており、森に生息する赤リスが一昔前のキャップやラベルに施されていた。赤リスは、北米からやってきた灰色リスにテリトリーを奪われて、現在ではごく一部でしか見ることができない。
【参考】
エドラダワー蒸留所
ピトロッホリーの町から東に進んだ小さな集落の谷間にエドラダワー蒸留所が建てられている。
「エドラダワー」とはゲール語で「エドレッドの小川」を意味しており、1825年に設立された。
農家が兼業でウイスキーづくりをしている、当時のスタイルを残す貴重な蒸留所である。
最も小さな蒸留所として宣伝していたものの、2018年に拡張が行われ、新しい蒸留所が開設されたことで「小さな蒸留所」ではなくなった。
かつてはキングスランサムなどのブレンド用だったが、現在ではほぼすべてがシングルモルト用となっている。ブレンデッドウイスキーの「ハウス オブ ロード」や「クラン キャンベル」にも使用されている。
【参考】
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